Department of Cariology
Faculty of Odontology, Lund University, Sweden
ルンド大学歯学部う蝕学講座

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Pagemaker: D. Bratthall


う蝕病変の進行


う蝕は歯の無機質がプラーク細菌叢や唾液中に溶け出される疾患です。脱灰が進行すると通常う蝕様病変になります。う蝕様病変は白斑病変、初期う蝕あるいは発端う蝕とも呼ばれます。さらにこの過程が進行すると、エナメル質の表面は破壊され、う窩になります。


脱灰と再石灰化の進行
歯の拡大図です。図の右側が歯の表層エナメル質で、主にバクテリア(細菌)で構成されたプラークでおおわれています。プラークは歯頚部、歯間部、裂溝あるいは他の"隠れた部位"によく見られます。
脱灰:
砂糖や他の発酵性炭水化物がバクテリアに達すると、エナメル質を溶かしだす酸を産生し、カルシウムやリン酸が不足することによって初期う蝕様病変が発生します。
再石灰化:
砂糖の消費が止まると唾液が砂糖を洗い流し、酸を緩衝します。カルシウムとリン酸は再び歯に取り込まれます。フッ化物はこの進行を大いに促進させます。
脱灰が再石灰化より"優位"になるとう窩が発生します。


色は何を意味するのでしょう?
赤色の扇形は,細菌:歯の表面上のプラークを示しています。 紺色の扇形は食事(糖類)を示していて,細菌が酸を産出して,歯の表面を破壊します。 水色の扇形はう蝕に対する感受性を示しています。
扇形が大きくなることは,う蝕リスクが高くなることを示しています。小さな扇形はう蝕のリスクが低いことを示しています。

扇形を小さくあるいは大きくするものは何でしょうか?
多くのプラークが存在したり、う蝕原性の細菌( ミュータンス連鎖球菌や乳酸菌)が通常以上の高い割合で含まれていると、赤色の扇形は大きくなります。
口腔清掃が良く、プラーク中のう蝕原性細菌の割合が低いと、赤色の扇形は小さくなります。
高い頻度で砂糖や他の発酵性炭水化物の摂取すると、紺色の扇形は大きくなります。
紺色の扇形が小さくなるのは砂糖や他の発酵性炭水化物の摂取がわずかなときです。
フッ素曝露機会低下、唾液分泌の減少あるいは唾液緩衝能の低下により宿主の感受性が高くなると、水色の扇形は大きくなります。
水色の扇形が小さくなるのは、適正なフッ素曝露、適正な唾液分泌あるいは適正な唾液緩衝能により宿主の感受性が低くなるときです。


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