Department of Cariology
Faculty of Odontology, Lund University, Sweden
ルンド大学歯学部う蝕学講座

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Pagemaker: D. Bratthall


う蝕リスク評価の理論
− "カリオグラム"の概念に基づいて −


"う蝕リスク"とはこれから何が起きるか、すなわち脱灰が起こるかあるいは新しいう蝕ができうるかを示すものです。その評価は通常ある一定期間(例えば来年において)に対して行われます。

"カリオグラム"モデルはう蝕に対するリスクを図示する事ができます。そのリスクは、"う蝕を発生させない確率"として表されます。低いパーセント、例えば5%というのは高いう蝕発生リスクを示します。反対にう蝕を発生させない90%の確率は、低いう蝕発生リスクを示します。

う蝕リスクを評価するために"カリオグラム"を用いる際、注意すべき重要なことは、


う蝕リスクを評価するためにカリオグラムを使用
Chance(確率) :これから新しいう蝕を作らないようにする確率

Diet(食事) :食べ物の種類と食事の回数

Bacteria(細菌) :細菌の種類とプラークの総量

Susceptibility(感受性) :歯質抵抗性(フッ化物応用)と唾液性状

Circumstances(環境因子) :う蝕罹患経験と全身疾患あるいは全身健康状態

"確率"の扇形の大きさは、他の4つの要因がどれくらいの大きさかによって決まります。


例1. 高いう蝕発生リスク - う蝕を発生させない確率はたったの5%
上記の3つのカリオグラムに見られる確率は似ているものの、その原因は異なります。

左:全ての要因が高い危険性につながります。
中央:細菌(赤色部分)が特に好ましくない状況です。
右:感受性(水色部分)が特に好ましくない状況です。


例2. う蝕発生リスク - う蝕を発生させない確率25%
上記と同様に3つのカリオグラムに見られる確率は似ているものの、その原因は違います。

左:食事の要因が特に好ましい状況です。
中央:細菌が特に好ましい状況です。
右:感受性が特に好ましい状況です。


例3. 低いう蝕発生リスク - う蝕を発生させない確率60%
3つのカリオグラムに見られる確率は似ているものの、その原因は違います。

左:全ての要因が小さくなって、う蝕リスクが低くなります。
中央:食事の要因が好ましくない状況ですが、他の要因がそれを補っています。
右:環境要因が好ましくない状況(たとえば高いう蝕罹患経験)ですが、他の要因の改善によって状況が良好になってきたときです。

上記から解るように、異なる要因は異なる重みを持ちます。いくつもの要因が結びつくと実際膨れ上がったものになります。

現在ではう蝕リスクを決定するのに役立つ荷重されたコンピュータープログラムが開発されています。 このプログラムを用いた評価例はここで見ることができます。


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