<Tooth-Dev シンポジウム情報> 
2004.11.05.版




第1回歯の発生生物学と再生に関するシンポジウム

日時:
2004年11月26日(金)14:00〜18:00
場所:
東京大学医科学研究所一号館大講堂
世話人・座長:
原田英光 、大島勇人
後援:
歯胚再生コンソーシアム
プログラム
14:00 あいさつ(シンポジウムの趣旨について):座長
14:10 シンポジウム1:大峡 淳(昭和大学)
15:10 休憩
15:25 シンポジウム2:山城 隆(岡山大学)
16:25 休憩
16:40 シンポジウム3:福本 敏(九州大学)
17:40 閉会
18:00 懇親会(会費3000円)
 
【趣旨】 欧米では、フィンランドの Thesleff、英国の Sharp など「歯の発生研究」の大きな拠点があり、TMD (Intn. conference on Tooth Morphogenesis and Differentiation) 、COST meetingなど情報交換の場も充実しています。そこで、日本でも歯の発生研究者の情報交換・共同研究促進の場を作り出すべく、上記のようなセミナーを 原田と大島で企画しました。日程は、多くの方に参加して頂けるよう、東京で開催されるJADRの前日です。この様な活動が将来の日本版TMD に繋がればと思っています。

【お願い】 講演会会場の都合もありますので、出席を希望する方は上記世話人のいずれかにメールでお知らせ下さい。また、懇親会にも是非ご参加くださるよ うお願い申し上げます。皆様のご参加をお待ちいたします。

【アクセス】  東大医科研 は本郷ではなく、 港区白金台 にあります。羽田からですと目黒経由と三田経由の2経路があります。
1.京急空港線(羽田→品川)、山手線(品川→目黒)、都営三田線(目黒→白金台)、徒歩(約45分)。
2.京急空港線/都営浅草線・相互乗り入れ(羽田→泉岳寺→三田)、都営三田線(三田→白金台)、徒歩(約45分弱?)。

( 構内マップはこちら アクセスはこちら 。)

【演題と抄録】

歯の種類を決定するメカニズムについて

大峡 淳
昭和大学 歯学部 歯周病学講座 

全ての歯の形が同じである爬虫類や魚類と違い、われわれ哺乳類の歯は、その形が顎の部位によって異なる"Heterodont dentition"という特徴を持っている。いずれの歯も、上皮と間葉の相互作用により発生していくが、どの様なメカニズムにより歯の種類が決定されて いくかについては、いまだ多くの謎が残っている。本講演では、これまでの報告に我々の実験結果を交えながら、歯の種類の決定メカニズムを考察したい。

歯根形成のメカニズムについて

山城 隆
岡山大学大学院・医歯学総合研究科・顎顔面口腔矯正学分野(歯科矯正学)

歯根はその名が示すように歯の根に相当し、歯槽骨に埋もれ、歯と骨を結びつける役割を果たしています。歯の頭に相当する歯冠の概形が完成すると、歯冠部の エナメル質を作り終えた上皮が歯根の概形を決定すべく深部に向けて増殖を開始し、歯の内側の間葉細胞を象牙質を作る細胞に分化させ、外側の間葉をセメント 質および歯根膜組織へと分化させることで歯根が形成されていきます。しかしながら、この分化の過程がどのようにして生じるのか、エナメル質作っていた上皮 がどのようにそれを止め歯根の形成を開始するのか、また、さまざまな形態を示す歯根の形がどのように決定されるのか、その分子機構のほとんどが、明らかで はありません。今回、これらの最新の知見を紹介し、再生医療にいかにして結びつけることが可能であるかを考察したいと思います。

歯の形成のための環境因子としての細胞外マトリックス

福本 敏
九州大学大学院歯学研究院口腔保健推進学講座小児口腔医学分野

歯胚の発生初期には基底膜により歯原性の上皮細胞および間葉細胞は維持される。そして基質形成期には、この基底膜は消失し、エナメルマトリックスやデン ティンマトリックスが分泌され、歯の硬組織形成が行われる。我々は基底膜の構成成分の一つであるラミニン・2およびラミニン・5欠損マウスにおける歯胚形 成について検討を行った。その結果、歯胚の大きさの決定や咬頭形成に基底膜分子が必須であることを明らかにした。さらにエナメルマトリックスの一つである アメロブラスチン欠損マウスが、エナメル質形成不全症様の表現系を示すとともに、歯原性腫瘍を形成することを発見した。以上の結果を踏まえながら、歯の再 生に必要な因子として細胞外マトリックスに焦点をあて、お話する予定である。


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