研究Research

器官発生メカニズムの解明 (歯、舌、下顎、目蓋、口唇、口蓋、目、口蓋皺壁、顔面)

全ての器官は、「数、形、大きさ、場所、種類」が必ず決まっています。
顔に足が生えてくることもないし、お腹に耳ができることもありません。
歯は決まった順番で、決まった数だけ生えてきます。
この「器官の数、形、大きさ、場所、種類はどうやって決まっているのでしょう?
そんな疑問の解明に取り組んでいます。

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  • Nat Genet 44:348-51, 2012
  • PLos ONE 20:e0204126, 2018
  • Dev Biol 365:61-70, 2012
  • PNAS 108:19270-5, 2011

先天性疾患への取り組み

外胚葉異形成症

歯、乳腺、汗腺、爪、髪など外胚葉を由来とする器官に異常がひき起こる先天性疾患です。
この疾患がどのようにして引き起こるのかの解明に取り組んでいます。

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  • Dev Cell 6:219-27, 2004
  • J Dent Res 94:121-8, 2015

繊毛病

一次線毛は、長く進化の過程で機能を失った細胞小器官と考えられてきましたが、近年、シグナル調整など様々な機能を有することが明らかとなってきました。この一次線毛の機能不全は繊毛病という疾患を引き起こします。
一次線毛の機能解析から、繊毛病の原因解明に取り組んでいます。

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  • Development 136:897-903, 2009
  • Hum Mol Genet 22:1873-85, 2013

その他の疾患


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  • Dev Dyn 236:2884-8, 2007

再生療法への取り組み

マウスの前歯は一生、生え続けます。これを可能にしているのは、幹細胞の存在です。マウスの前歯を利用して、幹細胞の制御メカニズムの解明に取り組んでいます。

進化の謎への挑戦

各器官は、長い進化の結果、現在の機能と形態を獲得しています。
発生過程に認められる現象(分子レベル、形態レベル)も、進化の過程を経た結果に他なりません。「進化の光を当てなければ、生物学において意味するものは何も無い」と言われるほど、生物科学にとって、進化を考えることは極めて重要です。
我々の体にある様々な器官はどうやって進化してきたのでしょうか?
そんな疑問の解明に取り組んでいます。
遺伝子を変化させることは、先祖返りを意味するのでしょうか?
なんらかの遺伝子の変化によって、今に至っているのであれば、その遺伝子を昔のようにすれば、我々の体は進化を逆戻りできるのでしょうか?

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  • PNAS 107:92-7, 2010
  • Genesis 48:382-9, 2010

胎児期におけるDNA損傷と老化

胎児は、お母さんのお腹の中で外界から守られ、スクスクと育っていくイメージがありますが、大人の体と同じようにDNAの損傷や老化現象が起きているようです。一体、純粋無垢な環境と思われていた胎児の体の中では、何が起きているのでしょうか?
DNA損傷と老化現象という切り口から、そんな疑問の解明に取り組んでいます。