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ご挨拶
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新潟大学大学院医歯学総合研究科
歯科矯正学分野主任教授 丹原 惇
ご挨拶
 歯科矯正学分野のwebサイトをご覧いただきましてありがとうございます。この度、2024年11月より第4代教授として着任いたしましたので、分野を代表してご挨拶申し上げます。当分野は1968年4月に新潟大学歯学部歯科矯正学講座として創設されました。これまで、初代 福原達郎 教授(1968年〜1977年)、二代目 花田 晃治 教授(1977年〜2004年)、三代目 齋藤 功 教授(2004年〜2024年)の3名の先生方が主宰されてこられました。
不正咬合と矯正歯科治療
 歯ならびや噛み合わせの異常のことを不正咬合といい、様々な機能的、審美的な問題を引き起こします。不正咬合はよく見た目が悪いなど審美的な観点で捉えられがちですが、前歯で物が噛み切れない、奥歯で物がよく噛めないといった食べるという機能の問題の他、話にくさ、滑舌の悪さといった発音機能の問題、前歯や顎の前突により口が閉じにくいなどの口の周りの筋肉(口腔周囲軟組織)の機能の問題も引き起こします。このような様々な不具合を併発する不正咬合に対して、正しい位置に歯を排列し、上下の噛み合わせを整え、さらに口元の筋肉とのバランスを整える目的で行われるのが、矯正歯科治療です。不正咬合を改善することで、口を使った食べる、話す、飲む、笑うといった機能を整え、患者さん一人一人のQOLを向上させることが矯正歯科医の責務であると考えています。
当分野のモットー『不易流行』
 この言葉は、俳聖松尾芭蕉の言葉で、「不易を知らざれば 基立ちがたく 流行を知らざれば 風新たならず」という教えから生まれました。何かを極めるためにはまずは土台となるいつの時代も変わらぬ基本的な考え方、技術が必要となります。しかし、これが疎かになると、その上に積み上げるものが不安定となります。一方、基本だけに固執して、新しい潮流を知らないままでいると、新しい発見や進歩が得られません。歯科矯正学そして矯正歯科臨床は日々、新しい器材や新規医療技術など日進月歩で進化を遂げています。私たちは基礎・臨床研究によって明らかになった新しい知見、新規に登場した技術をいかに患者さんの治療へ役立てていけるかという視点で日々の研究診療活動にあたっています。
 その一方で、当分野は大学病院における高度な医療の提供という使命も担っています。安全で質の高い医療を受けられる施設として、これまでに培ってきた基本的な技術がその中核を担うことは言うまでもありません。同時に、専門性の高い矯正歯科治療を提供する人材を輩出する教育機関としての責務を負っていることからも、基本的な技術スキルの継承も重要であると考えております。歯科矯正学領域における、研究、臨床、教育に、この言葉が最も当てはまるのではないかと考え、当分野のモットーとして掲げております。この不易と流行を両輪として国民の皆様への社会貢献の一役を担えればと考えています。
歯科矯正学を学びたい方へ
 矯正歯科は歯科領域の中でも、特に専門性の高い分野であり、一朝一夕には習得できません。そして、その治療を受けた患者さんのQOLに与える影響もまた大きなものであり、責任が伴うと同時に、患者さんの人生を左右するほどのインパクトを持っています。私もこの世界に身を投じてから、幾度もその経験をし、その楽しさ、奥深さに惹かれて今日に至っています。私たちは、一緒に歯科矯正学を学び、探究し、楽しめる仲間を待っています。新潟大学医歯学総合病院矯正歯科は、日本矯正歯科学会 認定医および日本歯科専門医機構認定 矯正歯科専門医を取得できる研修施設としての認定を受けており、将来、矯正歯科を専門としてキャリアを積みたい方向けのプログラムを提供しています。興味を持たれた方、勉強してみようと思う方向けに、年に一度、医局説明会を開催していますので、是非参加してみてください。皆さんの熱意は何ものにも変え難い当分野のエネルギーになります。当分野から巣立った先生方は、患者さんの治療を通じて社会貢献を立派に果たされていますし、我々も皆さんが責任ある臨床医となるためのサポートは惜しみません。未来の矯正歯科界の一翼を担っていく皆さんをお待ちしています。

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