WHO口腔保健協力センター Japanese English
2018年度活動概要
センター概要
WHO口腔保健協力センター
WHO Collaborating Centre for Translation of Oral Health Science
Country ID: JPN-75
1. WHO国際口腔保健データベースの構築
活動成果
1.
WHO国際口腔保健データベースを維持・更新のため、各国歯周病有病状況の文献検索・データ収集を行った。この情報は当協力センターホームページおよびマルメ大学CAPP (Country/Area Profile Project) のホームページに掲載されている。
2.
WHO本部およびミャンマー保健省と協同で、ミャンマーの歯科疾患実態調査の実施を支援している。2018年3月にはミャンマー歯科疾患実態調査に基づく歯科保健政策立案に関するワークショップを開催した。
参考資料
ワークショップ:
1)
Workshop for development of the oral health strategy in Myanmar, Nay Pyi Taw (Myanmar), Mar 16-17, 2018.
2)
Symposium on Myanmar National Oral Health Survey, Ministry of Health, Myanmar, Nay Pyi Taw (Myanmar), Mar 16, 2018.
活動写真:Myanmar National Oral Health Surveyシンポジウム
2.全身健康に与える口腔健康の重要性についての解明
活動成果
1.
口腔疾患と非感染性疾患(NCD)における関連性ついての科学的エビデンスを強化するため、論文を通じて知識の共有を行った。
2.
新潟大学病院における糖尿病対策チームの一員として、「歯周病と糖尿病の関連」をテーマに、糖尿病患者および一般市民を対象とした非感染性疾患(NCD)予防のための講演を毎月行った。
3.
パラオ保健省で「口腔疾患予防が非感染性疾患(NCD)予防にどのように寄与するか」というテーマでワークショップを開催し、技術指導を行った。
4.
口腔と全身疾患および生活の質(QOL)との関連性を解明するため、地域在住高齢者を対象とした疫学調査(新潟高齢者スタディ)を行った。
参考資料
論文:
1)
Petersen PE, Ogawa H: Promoting oral health and quality of life of older people - the need for public health action. Oral Health Prev Dent, 16(2): 113-124, 2018.
2)
Ogawa H, Damrongrungruang T, Furugen R, Hayashida H, Saito T, Yoshihara A, Miyazaki H: Association between serum resistin level and periodontal condition change among elderly people. Stoma Edu J, 5(1): 2430, 2018.
3)
Iwasaki M, Kimura Y, Ogawa H, Yamaga T, Ansai T, Wada T, Sakamoto R, Ishimoto Y, Fujisawa M, Okumiya K, Miyazaki H, Matsubayashi K: Periodontitis, periodontal inflammation, and mild cognitive impairment: A 5-year cohort study. J Periodontal Res, in press, 2019.
その他:
1)
Educational monthly seminar about diabetes and periodontitis for diabetic patients in the Niigata University Medical and Dental Hospital to increase the awareness of oral health, 2018.
2)
Oral health promotion seminar through "World Diabetes Day" in Niigata City, November 11, 2018.
活動写真:新潟高齢者調査
3.学校歯科保健の推進
活動成果
1.
乳歯齲蝕予防に関する学術的なエビデンスの共有、セミナーを行った。
参考資料
論文:
1)
Phantumvanit P, Makino Y, Ogawa H, Rugg-Gunn A, Moynihan P, Petersen PE, Evans W, Feldens CA, Lo E, Khoshnevisan MH, Baez R, Varenne B, Vichayanrat T, Songpaisan Y, Woodward M, Nakornchai S, Ungchusak C: WHO global consultation on public health intervention against early childhood caries. Community Dent Oral Epidemiol, 46(3): 280-287, 2018.
その他:
1)
WHO Expert Consultation on Public Health Intervention against Early Childhood Caries in Myanmar, Nay Pyi Taw (Myanmar), Mar 18-19, 2018
2)
Development of the guidance on Early Childhood Caries prevention and control at country level, London (UK), July 25, 2018.
活動写真:ミャンマー乳歯う蝕予防セミナー
4.口腔疾患予防や口腔保健推進を担う研究者あるいは歯科保健専門家の育成
活動成果
1.
外国人教員の受け入れ
Dr. Mochamad Fahlevi Rizal (インドネシア) 、Dr. Kaung Myat Thwin(ミャンマー)を新潟大学大学院医歯学総合研究科・予防歯科学分野の助教として受け入れを行った。
2.
留学生の受け入れ
本年度、下記の国から留学生、研修生を受け入れ、講義を行った。
タイ(17)、インドネシア(7)、ベトナム(6)、台湾(5)、ミャンマー(5)、香港(2)、カナダ(1)
1) 「口腔保健、齲蝕、歯周病、口腔癌・前癌病変、口腔と全身の関連」
2) 「全身の健康-歯科医師の役割」
3.
当センターでは、大学院生向けに下記の講義を展開している。
1) WHO国際口腔保健について
· 世界口腔疾病負担(the global burden of oral diseases)と口腔保健のリスクについて
· フッ化物全身応用
· フッ化物局所応用
· 煙草と口腔保健
· 学校保健を通じた口腔保健
· 口腔癌
· 食事、栄養、運動と口腔保健
· コモンリスクファクターアプローチ
2) 国際口腔保健における研究および統計基礎
· 目的・研究計画
· 方法・適格条件
· サンプルの割当、エンドポイント
· 評価
· 統計解析
活動写真:留学生への講義風景
5.世界歯学部調査の実施
活動成果
WHO協力センターCommunity Oral Health Programmes and Research (Copenhagen, Denmark)と協同で、“Oral Health Towards the Year 2030”の調査項目として、歯学教育および歯科医師登録制度に関する質問紙の作成を行った。
WHO本部および地域事務所との協力
1.
当センターは、Dr Fu D (WHO HQ) を招聘し、training oral health professionals in tobacco cessation (東京)についてのワークショップを主催した(2018年6月9日〜12日)。
2.
センター員 小川祐司をジュネーブ(ジュネーブ・スイス)で開催されたWHO Clinical Consortium on Healthy Agingに派遣した(2018年12月11日〜13日)。
3.
センター員 小川祐司をWHO本部(ジュネーヴ・スイス)に派遣し、これまでの活動報告と今後の事業計画についての協議を行った(2018年12月14日)。
活動写真:WHOが日本の歯科診療へ推奨する新たな禁煙支援法の研修会
活動写真:第三回アジア太平洋地域WHO協力センター会議
活動写真:WHOスタディープログラム
WHOCC間の協力など
1.
センター員 小川祐司を南アフリカに派遣し、世界タバコ会議で、WHO brief tobacco interventions into oral health programme in primary care, trial in Japan and Thailandについての講演を行った(2018年3月7日〜3月9日)。
2.
センター員 小川祐司をWHO協力センター会議(東京)に派遣し、これまでの活動報告と今後の事業計画についての協議を行った(2018年4月17日)。
3.
当センターは野崎慎二郎氏(WHO神戸センター)を口腔衛生学会(札幌)に招聘し、challenge for human resource development and professional career management in line with trends and needsについてのシンポジウムを主催した(2018年5月18日〜20日)。
4.
センター員 小川祐司をthe workshop for Achieving the UN Sustainable Development Goals through Nutrition and Oral Health: Celebrating 21 Years (WHO CC、ニューカッスル大学、イギリス)に派遣した(2018年7月22日)。
5.
センター員 小川祐司をインドネシアに派遣し、WHO ICOPE主催のサマーセミナーで、oral health promotion for ageing populationについての講演を行った(2018年8月22日〜8月24日)。
6.
センター員 小川祐司をthe meeting of WHO Global Oral Health Programme in FDI (アルゼンチン)に派遣した(2018年9月5日〜9月8日)。
7.
センター員 小川祐司をNational Institute for Minamata Disease Forum(熊本)に派遣し、歯科用アマルガム使用の削減に関する講演を行った(2018年10月30日〜11月3日)。
8.
センター員 小川祐司を第三回アジア太平洋地域WHO協力センター会議(ホーチミン・ベトナム)に派遣し、これまでの活動報告と今後の事業計画についての協議を行った(2018年11月21〜23日)。
9.
センター員 小川祐司をthe expert meeting for development of FDI 2030 vision (イギリス)に派遣した(2019年1月18日〜1月21日)。
10.
センター員 小川祐司をWHO CC(マヒドン大学、タイ)に派遣し、oral health awarenessに関する共同研究の協議を行った(2019年2月13日〜2月14日)。
活動写真:National Institute for Minamata Disease Forum