WHO口腔保健協力センター Japanese English
2019年度活動概要
センター概要
WHO口腔保健協力センター
WHO Collaborating Centre for Translation of Oral Health Science
Country ID: JPN-75
主な役割
1. WHO国際口腔保健データベースの構築
WHO国際口腔保健データベースに質の高い情報を提供するために、口腔疾患(特に歯周病)に関する疫学研究とデータ収集の支援を行う
2. 健康な高齢化における口腔保健理論の構築
WHOが定義する健康な高齢化において、口腔保健の意義とその実践の支援を行う
3. 1次予防における口腔保健の推進
WHOが推奨するライフコースアプローチの理論を実践するために、口腔保健を通じての健康推進のエビデンス構築の支援を行う
4. 水俣議定書における歯科用アマルガム使用削減の支援
歯科用アマルガム使用の削減を実質化するための理論と実践の普及を支援
1. WHO国際口腔保健データベースの構築
活動成果
1.
WHO国際口腔保健データベースを維持・更新のため、各国歯周病有病状況の文献検索・データ収集を行った。この情報は当協力センターホームページおよびマルメ大学CAPP (Country/Area Profile Project) のホームページに掲載されている。
2.
WHO Global Oral Health Reportの項目の一つである「重度歯周疾患」の執筆に携わった。
2.健康な高齢化における口腔保健理論の構築
活動成果
1.
WHO・高齢者総合ケアガイダンス(ICOPE)の作成に携わった。
2.
WHO西太平洋地域(WPRO)での高齢者に対する口腔保健政策の立案に携わった。
3.
口腔と全身疾患および生活の質(QOL)との関連性を解明するため、地域在住高齢者を対象とした疫学調査(新潟高齢者スタディ)を行った。
参考資料
論文:
1.
The ICOPE Handbook - guidance on person-centred assessment and pathways in primary care, WHO, 2019.
2.
Iwasaki M, Taylor GW, Sato M, Minagawa K, Ansai T, Yoshihara A: Effect of chronic kidney disease on progression of clinical attachment loss in older adults: A 4-year cohort study. J Periodontol, 90(8): 826-833, 2019.
活動写真:WHO西太平洋事務局(フィリピン・マニラ)よりのオフィサーを交えた日本における歯科公衆衛生活動および高齢社会における口腔健康向上の指針についての協議
3.1次予防における口腔保健の推進
活動成果
1.
ミャンマーの口腔保健政策についてのレポート「Framework for development of oral health policy and strategies in Myanmar」を作成した。
2.
WHO協力センター(マヒドン大学、タイ)と協同で地域高齢者の栄養介入についての予備調査を行った。
3.
スリランカにおける学校単位でのフッ化物洗口プログラムに対する助言および指導を行った
4.
WHO monography on tobacco cessation and oral health integrationの日本語への翻訳を開始した。
5.
乳歯う蝕対策の冊子「WHO implementation manual maps positive path to combat early childhood caries」の作成に対する技術指導を行った。
参考資料
1.
Framework for development of oral health policy and strategies in Myanmar (booklet).
2.
Chandra Herath, Tharanga Nandasena, Kaung Myat Thwin, Anushka Abeysundara, Sampath Ratnayake, Hiroshi Ogawa, Hideo Miyazaki, Takeyasu Maeda. Effectiveness of school-based fluoride mouth rinsing program in school children from Kandy district, Sri Lanka. Stoma Edu J, 7(1), 1-8 2020. (in press)
活動写真:ミャンマー口腔保健政策立案についてのワークショップ
活動写真:ミャンマー口腔保健プロジェクト会議
活動写真:タイ(ナコーンラーチャシーマ県)での地域高齢者を対象とした栄養調査
4.水俣議定書における歯科用アマルガム使用削減の支援
活動成果
当センターはWHO協力センター(水俣)と協同で、多くの国で用いられている歯科用アマルガムの段階的な使用廃止における施策立案に携わっている。これは、歯科用アマルガムの環境・歯科臨床現場での管理、公衆衛生における廃棄物汚染対策等が含まれており、現在のところ協議の段階である。
WHO本部および地域事務所との協力
1.
The WHO Oral Health Workforce Questionnaire Survey への技術支援を行った(2019年6月1日)。
2.
WHO東南アジア事務局(SEARO)に対して、プライマリーヘルスケアに携わる医療従事者のためのオンラインモジュール開発への助言および指導を行った(2019年6月22日〜7月10日)。
3.
センター長小川祐司を国際歯科連盟(FDI)会議(アメリカ・サンフランシスコ)に派遣し、WHO本部Dr Benoit Varenneとこれまでの活動報告ならびに今後の事業計画についての協議を行った(2019年9月4日〜8日)。
4.
センター員 Kaung Myat Thwin をアジア歯科医官会議(マンダレー・ミャンマー)に派遣し、 WHO本部、SEARO担当官と今後の事業計画について意見交換を行った (2019年10月24日〜26日)。
5.
センター長小川祐司をWHO本部で開催されたWHO Clinical Consortium on Healthy Agingに専門員として派遣した(2019年11月21日〜22日)。
6.
WHOアフリカ事務局(AFRO)牧野由佳技術員を招聘し、ユニバーサルヘルスカバレッジ(UHC)と口腔保健のセミナーを共催した(2020年1月8日、東京)。
7.
WHO、西太平洋事務局(WPRO)岡安裕正医官、Kira Fortune技術員を招聘し、WPRO健康な高齢社会ビジョンにおける口腔保健について協議を開催した(2020年1月24日、新潟)。
8.
WHOガイドライン:糖尿病患者に対する医療サービスにおける口腔保健分野の内容指導を行った(2020年1月30日)。
WHO CC間の協力などその他
1.
センター員 Raksanan Karawekpanyawong をWHOCC(マヒドン大学)に派遣し、高齢者の栄養摂取習慣プログラム構築のための栄養指導予備調査を協働した(2019年4月26日〜5月8日、タイ)。
2.
鷲見学氏(外務省国際協力局国際保健政策室)、Paula Moynihan氏 (Food and Health, The University of Adelaide)を第68回日本口腔衛生学会総会に招聘し、国際シンポジウム「2030年までにアジアの口腔保健が目指すもの−SDGs を踏まえて−」を開催した(2019年5月21日〜23日、滋賀)。
3.
ミャンマー保健省、Borrow Foundationとの共催で、ミャンマー口腔保健政策立案についてのワークショップを開催した(2019年6月8日〜10日、ネピドー)。
4.
ミャンマー保健省、Borrow Foundationとの共催で、ミャンマー口腔保健モデル構築プロジェクトの準備会議を開催した(2019年8月12日〜13日、ネピドー)。
5.
センター長小川祐司をガジャマダ大学(ジョグジャカルタ・インドネシア)に派遣し、ガジャマダ大学国際口腔保健サマーセミナーで、グローバルオーラルヘルスプロモーションの講演を行った(2019年8月19日〜27日)。
6.
センター員 Raksanan Karawekpanyawong WHOCCマヒドン大学(タイ)に派遣し、ナコーンラーチャシーマ県で、地域高齢者を対象とした栄養調査を行った(2019年、8月24日〜9月3日)。
7.
センター員 Dr Kaung Myat Thwin をWHO協力センター会議(東京)に派遣し、これまでの活動報告と今後の事業計画についての協議を行った(2019年9月6日)。
8.
グローバル・タバコフリーサミット(東京)を共催した (2019年10月13日〜15日)。
9.
当センターは厚生労働省にロシアにおける口腔保健についての技術指導を行った(2019年10月30日)。
10.
当センターはWHO西太平洋事務局(WPRO)と日本における歯科公衆衛生活動および高齢社会における口腔健康向上の指針についての協議を行った(2020年1月24 日)。
11.
WHO Executive Board 146の宣言における口腔保健分野について厚生労働省に対して技術指導を行った(2020年1月27日)。
12.
センター長小川祐司をWHOCC国立国際医療研究センターに派遣し、薬物耐性(AMR)に対するインドネシアの実情に即した院内感染対策(IPC)と抗菌薬適正使用プログラム(ASP)研修による人材育成事業にて、口腔ケアの実践指導を協働した(2020年1月29日、東京)。