WHO口腔保健協力センター Japanese English
2017年度活動概要
センター概要
WHO口腔保健協力センター
WHO Collaborating Centre for Translation of Oral Health Science
Country ID: JPN-75
1. WHO国際口腔保健データベースの構築
活動成果
1.
WHO国際口腔保健データベースを維持・更新のため、2011年〜2016年の各国歯周病有病状況の文献検索・データ収集を行った。この情報は当協力センターホームページおよびマルメ大学CAPP (Country/Area Profile Project) のホームページに掲載されている。
2.
高齢者口腔保健に関するFDIタスクチームに対し、高齢者の口腔健康をモニタリングするための学術的知見を提唱した。
3.
WHO本部およびミャンマー保健省と協同で、ミャンマーの歯科疾患実態調査の実施を支援している。2017年9月にはミャンマー歯科疾患実態調査の報告および、それに基づく歯科保健政策立案に関するワークショップを開催した。
参考資料
論文:
1)
Miyazaki H, Jones JA, Beltran-Aguilar ED: Surveillance and monitoring of oral health in elderly people. Int Dent J, 67(Suppl 2): 34-41, 2017.
2)
Fukai K, Ogawa H, Hescot P: Oral health for healthy longevity in an ageing society: maintaining momentum and moving forward. Int Dent J, 67(Suppl 2): 3-6, 2017.
講演:
1)
Miyazaki H: Coordinated workshop for assessment of the reliability of oral examination on National Oral Health Survey in Myanmar, Nay Pyi Daw (Myanmar), April 1-3, 2017.
2)
Miyazaki H, Ogawa H and Kubota Y: Lectured data analysis and report of the Myanmar National Oral Health Survey, Nay Pyi Daw (Myanmar), September 19-21, 2017.
活動写真:Myanmar National Oral Health Surveyの報告会
2.全身健康に与える口腔健康の重要性についての解明
活動成果
1.
新潟高齢者スタディに基づいた、口腔健康・全身健康・生活の質(QOL)に関する研究成果の発表を継続している。アジア各国における政策立案の一助となるよう、アジアデンタルオフィサー会議や国際学会等での講演・発表を通じ、エビデンスに基づいた知識の共有を行っている。
2.
新潟大学病院における糖尿病対策チームの一員として、「歯周病と糖尿病の関連」をテーマに、糖尿病患者および一般市民を対象とした非感染性疾患(NCD)予防のための講演を毎月行っている。近い将来、この経験に基づき、アジア各国の地域におけるヘルスプロモーションへ展開していきたいと考えている。
3.
アジア各国においてもNCDの有病率は上昇している。2017年12月には、パラオ保健省で「口腔疾患予防が非感染性疾患(NCD)予防にどのように寄与するか」というテーマでワークショップを開催し、技術指導を行った。
参考資料
論文:
1)
Moynihan P, Makino Y, Petersen PE, Ogawa H: Implications of WHO guideline on sugars for dental health professionals. Community Dent Oral Epidemiol, 46: 1-7, 2018.
2)
Kimura H, Watanabe T, Suzuki A, Iwasaki M, Yoshihara A, Ogawa H, Miyazaki H: Do Community-dwelling 75-year-old People with 20 or More Teeth Have a Healthy Dietary Pattern?. J Dent Hlth 67, 172-180, 2017.
3)
Iwasaki M, Sato M, Yoshihara A, Miyazaki H: Malnutrition and oral disease in the elderly - is there any bidirectional relationship? Curr Oral Health Rep, 4, 70-78, 2017.
3.学校歯科保健の推進
活動成果
1.
乳歯齲蝕予防の学術的なエビデンスの共有を行った。
2.
マダガスカルの小学校における喫煙状況および行動変容に関する研究にて、データの解析および論文化に関する助言・指導を行った。
参考資料
論文:
1)
Phantumvanit P, Makino Y, Ogawa H, Rugg-Gunn A, Moynihan P, Petersen PE, Evans W, Feldens CA, Lo E, Khoshnevisan MH, Baez R, Varenne B, Vichayanrat T, Songpaisan Y, Woodward M, Nakornchai S, Ungchusak C: WHO Global Consultation on Public Health Intervention against Early Childhood Caries. Community Dent Oral Epidemiol, in press, 2018.
2)
Razanamihaja N, Makino Y, Ogawa H, Ikeda N, Miyazaki H: The assessment of status of tobacco smoking among urban primary schoolchildren in Madagascar. Health Promot Int, 32(2):351-359,2017.
4.口腔疾患予防や口腔保健推進を担う研究者あるいは歯科保健専門家の育成
活動成果
1.
外国人教員の受け入れ
Dr. Lisdrianto Hanindriyo (ガジャマダ大学)、Dr. Mochamad Fahlevi Rizal (インドネシア大学) を新潟大学大学院医歯学総合研究科予防歯科学分野の助教として受け入れを行った。
2.
留学生の受け入れ
本年度、下記の国から留学生、研修生を受け入れ、講義を行った。
タイ(14)、台湾(9)、ベトナム(6)、ミャンマー(6)、インドネシア(6)、スウェーデン(2)、カナダ(1)
1) 「口腔保健、齲蝕、歯周病、口腔癌・前癌病変、口腔と全身の関連」
2) 「全身の健康-歯科医師の役割」
3.
当センターでは、大学院生向けに下記の講義を展開している。
1) WHO国際口腔保健について
· 世界口腔疾病負担(the global burden of oral diseases)と口腔保健のリスクについて
· フッ化物全身応用
· フッ化物局所応用
· 煙草と口腔保健
· 学校保健を通じた口腔保健
· 口腔癌
· 食事、栄養、運動と口腔保健
· コモンリスクファクターアプローチ
2) 国際口腔保健における研究および統計基礎
· 目的・研究計画
· 方法・適格条件
· サンプルの割当、エンドポイント
· 評価
· 統計解析
活動写真:留学生への講義風景
5.世界歯学部調査の実施
活動成果
WHO協力センターCommunity Oral Health Programmes and Research (Copenhagen, Denmark)と協同で、“Oral Health Towards the Year 2030”の調査項目として、歯学教育および歯科医師登録制度に関する質問紙の作成を行った。
WHO本部および地域事務所との協力
1.
センター長 宮崎秀夫をサンフランシスコ(サンフランシスコ・アメリカ)に派遣し、WHO 協力センター会議でこれまでの活動報告と今後の事業計画についての協議を行った(2017年3月23日)。
2.
センター長 宮崎秀夫をミャンマー(ネピドー・ミャンマー)に派遣し、ミャンマー歯科疾患実態調査におけるデータ解析の指導を行った(2017年4月1日〜4月3日)。
3.
センター長 宮崎秀夫をミャンマー(ネピドー・ミャンマー)に派遣し、ミャンマーの歯科保健政策立案に関する助言を行った(2017年9月19日〜9月21日)。
4.
センター長 宮崎秀夫、小川祐司をミャンマー(ヤンゴン・ミャンマー)に派遣し、WHOミャンマー事務所でこれまでの活動報告と今後の事業計画についての協議を行った(2017年9月22日)。
5.
センター員 小川祐司を熊本(熊本市・熊本)に派遣し、WHO WPRO主催のワークショップ、“Involvement in the Implementation of the Minamata Convention on mercury”で、歯科アマルガムの使用の削減に関する講演を行った(2017年6月29日〜6月30日)。
6.
センター員 小川祐司をタイ(バンコク・タイ)に派遣し、WHO SEARO主催のワークショップ、“Involvement in the Implementation of the Minamata Convention on mercury”で、歯科用アマルガム使用の削減に関する講演を行った(2017年7月3日〜7月4日)。
7.
センター員 小川祐司をジュネーブ(ジュネーブ・スイス)で開催されたWHO Clinical Consortium on Healthy Agingに派遣した(2017年11月19日〜11月24日)。
8.
センター員 小川祐司をパラオ保健省(コロール・パラオ)に派遣し、「口腔疾患予防が非感染性疾患(NCD)予防にどのように寄与するか」というテーマでワークショップおよび技術指導を行った。(2017年12月5〜13日)。