糖尿病・生活習慣病教室
近年、日本人成人の80%以上が歯周病に罹患しています(厚生労働省 平成23年歯科疾患実態調査より)。歯周病は糖尿病の三大合併症といわれる腎症・網膜症・神経症等に次いで第六番目の糖尿病合併症と認識されており、両者は密接な相互関係にあります(図1)。
歯周病と糖尿病の関係は1990年代より盛んに研究・報告されており、歯周病治療を行うことで糖尿病が改善することが明らかになっています。
新潟大学大学院医歯学総合研究科予防歯科学分野では、これまで血液・内分泌・代謝内科学分野と共同で臨床介入研究を実施し、抗菌剤を併用した歯周治療が糖尿病のインスリン抵抗性の改善に与える影響について明らかにしてきました(図2)。また、予防歯科診療室においては、糖尿病内科外来を受診されている患者さんの歯周病治療やメインテナンスも行っています(図3)。
新潟大学医歯学総合病院では、内分泌・代謝内科を中心に、腎・膠原病内科、歯科(予防歯科)、栄養管理部、看護部、検査部、薬剤部及び総合リハビリセンターが連携し、「糖尿病・生活習慣病教室」を開設しました。予防歯科学分野は平成25年11月からこの糖尿病教室に参画しています。
- 日程の詳細はこちら -予防歯科学分野は、歯科衛生士、歯科外来看護師とともに「糖尿病と歯周病」の講座を担当しています。内容は、歯科医師による、歯周病が全身の健康、特に糖尿病とどのように関連しているかについて解説を行い、その後、歯科衛生士がお口のお手入れについて、実際にお口の模型と歯ブラシなどを使用し、質問を受け付けながら実践的な指導を行っています(写真1、2)。
歯科医院への通院歴がない場合、基本的なお口のケアの方法とともに、これから歯周病、そして糖尿病と付き合っていく上での知識や心構えについても学んでいただける内容となっており、多くの方からご好評をいただいております。